交通事故示談成立後の後遺障害発生の問題点
はじめに:示談成立後に後遺症が現れるケースとは
高松で交通事故に遭った方から、こんな相談を受けることがあります。
「示談が終わってしばらくしてから、急に体が痛くなってきた」
「病院で調べてもらったら、後遺症だと言われた」
「もう示談したのに、お金を請求することはできるのだろうか」
こうした不安を感じる方は少なくありません。
でも、そもそも「示談の後で後遺症が出てくる」ということは、本当に起こるのでしょうか。
この記事では、その実際のところと、いちばん良い対処法について説明します。
「示談後の後遺障害発生」は現在ではほとんどない
昔は医学・検査技術の未発達により起こり得た
昔は、医学や検査の技術があまり進んでいませんでした。
そのため、事故の直後にはケガが見つからず、後になって症状が出てくることがありました。
レントゲンだけでは、見えないケガもたくさんあったのです。
現代医学では基本的に想定しにくい
しかし今は、MRIやCTといった、体の中をくわしく見ることができる検査があります。
専門のお医者さんに診てもらえる仕組みも整っています。
ですから、事故によるケガは、症状固定までにほとんど見つかるはずです。
つまり、「示談の後で新しい後遺症が出てくる」ということは、今ではほとんど起こりません。
「後から発生」ではなく「検査漏れ・見落とし」のケースはある
ただし、注意したいことがあります。
本当に新しく出てきたのではなく、最初の検査で見落とされていただけ、ということです。
または、必要な検査をしていなかったというケースです。
これは今でも起こることがあります。
そして、見た目には「示談の後で後遺症が出た」ように見えてしまうのです。
特に注意すべき高次脳機能障害
とくに気をつけたいのが、高次脳機能障害というものです。
これは、見つかるまでに時間がかかる障害です。
たとえば、こんな症状が出ます。
物覚えが悪くなる。
集中できなくなる。
怒りっぽくなる。
外から見ても、ケガをしているとはわかりません。
本人も気づきにくいのです。
家族が「事故の前と様子がちがう」と気づいて、はじめてわかることもあります。
事故の直後の検査では「異常なし」と言われ、そのまま示談を進めてしまう。
そして後から症状がはっきりしてくる。
こういう流れになりやすい障害なのです。
最も効果的な対処法は「示談を急がないこと」
後遺障害の有無が確定するまで示談しない重要性
では、どうすればいいのでしょうか。
答えはひとつです。
後遺障害があるかどうか、はっきりするまで示談をしないことです。
保険会社は、早く示談をすませたがります。
こちらも、早く終わらせたい気持ちになります。
提示されたお金を見て「これで終わりにしよう」と思ってしまうこともあります。
でも、待ってください。
症状固定や後遺障害の等級認定がすんでいないうちに示談をすると、とても損をすることになります。
示談前であれば「示談済みだから請求できない」という問題は発生しない
示談をしていなければ、話は簡単です。
「もう示談したから、これ以上請求できない」という問題は起きません。
後遺症が見つかったときに、その分のお金もきちんと請求できます。
「示談を急がない」。
これだけで、後から困ることのほとんどが防げるのです。
後遺障害認定の基本的な流れ
症状固定とは何か
後遺障害の認定には、まず「症状固定」という状態になることが必要です。
症状固定とは、これ以上治療を続けても、もう良くならない状態のことです。
完全に治ったということではありません。
「これ以上は良くも悪くもならない」という、お医者さんの判断のことです。
等級認定までのプロセス
症状固定と診断されたら、次のステップに進みます。
まず、お医者さんに後遺障害診断書を書いてもらいます。
検査結果もまとめます。
それを、専門の機関に送って審査してもらいます。
審査を通ると、症状の重さに応じて等級が決まります。
等級は1級から14級まであります。
この等級が、後遺障害についてもらえるお金の金額を決める大事なものです。
ですから、示談はこの等級が決まってから行うべきなのです。
それでも示談成立後に後遺障害が判明した場合の対応
追加の損害賠償請求は可能か
それでも、もし示談の後で後遺症が見つかってしまったら、どうすればよいのでしょうか。
結論から言うと、追加でお金を請求することは、まったくできないわけではありません。
認められるための条件:交通事故との相当因果関係
請求するためには、ひとつ大切な条件があります。
それは、交通事故と後遺障害との間に、はっきりしたつながりがあると証明することです。
これを「相当因果関係」と言います。
これが証明できれば、改めて損害賠償の請求ができます。
ただし、これは例外的な対応です。
すでに示談している以上、相手は「もう示談で終わったはずだ」と言ってきます。
ですから、追加請求が認められるのは、かんたんではありません。
医師の診断が果たす重要な役割
このとき、いちばん大切なのは、お医者さんの診断です。
高松のお医者さんが、こう言ってくれることが重要です。
「この後遺障害は、交通事故が直接の原因です」
この内容が診断書に書かれていれば、追加請求がしやすくなります。
逆に、医学的な裏づけが弱いと、請求は難しくなります。
示談書に盛り込んでおきたい「権利留保条項」
具体的な文言例
もしものときに備えて、示談書に次のような一文を入れておくと安心です。
「将来、本件事故に起因する新たな後遺障害が発生したときには、甲と乙とは、その損害につき別途協議するものとする。」
これを「権利留保条項」と言います。
条項がない場合の対応
もしこの一文がなくても、相当因果関係が証明できれば、示談のやり直しは不可能ではありません。
でも、この一文があるかないかで、話のしやすさが大きく変わります。
この条項があれば、追加で話し合うことが示談のときの約束になっています。
ですから、相手も応じないわけにはいきません。
高松で示談・後遺障害について悩んだら弁護士へ
示談前の相談が特に重要
くりかえしになりますが、後遺障害の問題は「示談の前」に対処することがいちばん大切です。
保険会社から示談の話が来ても、すぐにハンコを押してはいけません。
まず、いったん立ち止まってください。
特に、こんなときは要注意です。
頭を強く打った事故。
事故で気を失ったことがある場合。
事故の後、本人や家族が「何かおかしい」と感じている場合。
こういうときは、安易に示談を進めてはいけません。
弁護士に相談するメリット
弁護士に相談すれば、いろいろなことをチェックしてもらえます。
症状固定のタイミングは適切か。
必要な検査が抜けていないか。
後遺障害の等級はどのくらいになりそうか。
示談金の金額は妥当か。
権利留保条項を入れる交渉も、弁護士がサポートします。
まとめ
示談の後で後遺症が出てくる、ということは、今の医療の水準ではほとんど起こりません。
実際に問題になるのは、検査の見落としです。
または、高次脳機能障害のように、見つかるまでに時間がかかる障害です。
これに対するいちばん確実な対処法は、ひとつだけです。
後遺障害の有無がはっきりするまで、示談をしないということです。
もし示談の後で後遺症が見つかっても、相当因果関係を証明できれば、追加請求の道は残されています。
でも、それはかんたんではありません。
高松で交通事故に遭い、示談や後遺障害について少しでも不安を感じている方。
示談書にハンコを押す前に、ぜひ一度、弁護士に相談してください。
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