白鳥神社の初詣の交通事故を科学的に検証する

【東かがわ市・白鳥神社】大晦日から元旦の初詣で、なぜ事故が増えるのか。脳と体の仕組みから考える、無事故で新年を迎える運転術
この記事では、東かがわ市の白鳥神社へ初詣に向かう大晦日から元旦にかけて、なぜ事故が増えるのかをお伝えします。
混雑だけが原因ではありません。
実は、この時間帯のドライバーの脳と体は、ふだんどおりには働いていないのです。
どんな仕組みで、判断力や視界が奪われるのか。
そして、家族の幸せを願う道中を、トラブルなく終えるために何ができるのか。
交通事故の被害者側に立って活動してきた弁護士の視点も交えながら、順を追って整理していきます。
最後まで読んでいただくと、新年最初の運転に対する心構えが、はっきりと変わるはずです。

1. 白鳥神社の初詣に、何が起きているのか

東かがわ市の白鳥神社には、大晦日の深夜から元旦にかけて、多くの参拝者が訪れます。
国道11号線から、神社をめざす車が次々と押し寄せます。
一年の安全と幸せを願う、晴れやかな時間です。
ところが、この時間帯は、接触事故の危険がぐっと高まります。
その理由は、単なる混雑だけではありません。
深夜という時間。
氷点下に近い寒さ。
そして、初詣ならではの焦り。
これらが重なって、ドライバーの脳と体に、思わぬ落とし穴を作り出すのです。
ここからは、その仕組みを三つに分けて見ていきます。

2. 体と環境が引き起こす「3つの落とし穴」

落とし穴その1:突然、視界が真っ白になる

大晦日の深夜、車の中は暖房がよく効いています。
一方、一歩外に出れば、氷点下に近い寒さです。
ここに、初詣ならではの状況が加わります。
参拝を終えた家族や、これから向かう大人数が、いっせいに車に乗り込みます。
人の吐く息には、たくさんの水分が含まれています。
大人数が乗り込むと、車内の湿度が一気に上がります。
その湿った空気が、冷え切ったフロントガラスに触れた瞬間。
ガラスの全面がいっせいにくもり、視界が真っ白に遮られます。
これが「結露」です。
走りながら送風で乾かせばいい、という油断が危険です。
発車した直後の、目の前の歩行者を見落とすことに直結します。

【用語解説】結露(けつろ)
空気の中の水分が、冷たいものに触れて水のつぶに変わる現象です。冬にコップの外側がぬれるのと同じ仕組みで、車のガラスにも起こります。室内と外の温度差が大きいほど、はげしくくもります。

落とし穴その2:寒さによる操作の遅れと、厚着の死角

冬の深夜は、ドライバーの体そのものが、事故の引き金になることがあります。
寒さで手足の筋肉がこわばると、動きがにぶります。
ブレーキを踏みかえる動作や、ハンドルを回す動作に、わずかな遅れが生まれます。
そのコンマ数秒が、いざというときの差になります。
さらに、防寒のための厚着にも、思わぬ落とし穴があります。
フードのついたダウンコートや、大きなマフラー。
これらを身につけたまま運転すると、首を振ったときの左右の見え方がせまくなります。
いつもと同じ感覚で安全を確認したつもりでも、服のせいで、実際には見えていない死角が生まれているのです。

落とし穴その3:深夜の脳の疲れと、駐車場探しの脇見

人間の体内時計では、午前0時から4時ごろは、本来なら眠っている時間です。
ですから、起きているだけでも、脳の判断力や注意力は低下しています。
そこに、初詣特有の焦りが加わります。
駐車場は空いているだろうか。
そう考えると、ドライバーの視線は、駐車場の入り口や前の車に釘づけになります。
すると、道の端を歩いている人が、脳の処理から完全にこぼれ落ちてしまいます。
本人は、しっかり前を見ているつもりです。
しかし、脳が歩行者を認識できていない状態になっているのです。
見ているのに、見えていない。
深夜の疲れた脳では、こうしたことが起こります。

3. 初詣の「防衛運転チェックリスト」

ここからは、すぐに実践できる具体的な備えを紹介します。
出発前、運転中、駐車場の中、それぞれの場面に分けてお伝えします。

出発前:車内の環境を整える

まず、エアコンの設定を確認してください。
「外気導入」、つまり外の空気を取り込む設定にしておきます。
車内の空気をぐるぐる回す「内気循環」のままだと、車内の湿度が上がり、ガラスが急にくもる原因になります。
次に、運転席に座ったら、防寒着のフードを脱いでください。
そして、マフラーの巻き方も調整します。
左右の安全を確認するために、首がスムーズに回る状態を作っておくことが大切です。

運転中:人が「消える」ことを予測する

夜間の運転では、歩行者が突然見えなくなることがあります。
対向車のヘッドライトと、自分のライトが交差する場所。
そこに歩行者が入ると、二つの光が打ち消し合い、人の姿が一瞬消えてしまうのです。
これを「蒸発現象」と呼びます。
国道11号線から神社へ入る交差点のあたりは、特に注意が必要です。
対向車のライトの影に、人が隠れているかもしれない。
その意識を持つだけで、危険への反応が変わります。

【用語解説】蒸発現象
夜間、自分の車のライトと対向車のライトが重なる場所で、その間にいる歩行者が、光に紛れて一瞬消えたように見えなくなる現象です。すれ違いの瞬間に起こりやすく、人の見落としにつながります。

駐車場内:ハザードランプで意思を伝える

駐車場の中で、空きスペースを探してゆっくり動くとき。
後ろの車や、周りの歩行者は、あなたの車が次にどう動くのか予測できません。
そこで役立つのが、ハザードランプです。
少しでも迷ったら、ハザードランプを点滅させてください。
これは、私は今、周りを探しながらゆっくり動いています、という合図になります。
周りの人に、あなたの存在と動きを伝え、警戒してもらうことができます。

4. 弁護士の視点 ―「みんな疲れていた」では済まされない

ここからは、被害者側の弁護士として、ふだん感じていることをお伝えします。
深夜の事故では、当事者がこう言うことがあります。
夜遅くて、疲れていたから、と。
寒さや眠気で、判断がにぶっていたのは、たしかかもしれません。
しかし、ここには大切な考え方があります。
深夜の運転で、自分の判断力が落ちることは、あらかじめわかっていることです。
寒さでガラスがくもることも、人が見えにくくなることも、予測できます。
予測できる危険であれば、ドライバーには、それに備える義務があります。
ですから、疲れていた、眠かった、という説明だけで、責任が軽くなるとは限りません。
むしろ、危険がわかっていながら、十分に注意しなかった点が問われることがあります。

歩行者として参拝する人へ

この視点は、車を運転しない人にも関わります。
初詣の夜は、あなた自身が歩行者として道を歩く場面があります。
そのとき、車から見たあなたは、暗闇と光の中で見えにくい存在になっています。
ですから、車がこちらに気づいているはず、と思い込まないでください。
ドライバーと目が合うまで、横断を急がない。
明るい色の服や、小さな反射材を一つ加える。
そうした心がけが、あなた自身を守ります。
なお、ここでお伝えしているのは一般的な考え方です。
実際の事故では、状況によって判断が変わります。
個別の見通しについては、弁護士に直接ご確認いただくのが確実です。

【用語解説】反射材(はんしゃざい)
車のライトを受けると、その光を強くはね返す素材です。たすきやキーホルダー、シールなど、さまざまな形のものがあります。夜間、ドライバーから歩行者の存在を早く気づいてもらうのに役立ちます。

5. 新年を、最高の一年にするために

初詣の事故で、もっとも悲しいのは、その目的にあります。
家族の幸せや、一年の安全を願いに行く、その道中で起きてしまうことです。
混雑する白鳥神社の周りでは、ぜひ、こう考えてみてください。
前を走る車も、道を歩く人も、みんな寒さと眠気で判断力がにぶっている。
その前提に立つことです。
すると、自然と、おたがいに譲り合う余裕が生まれます。
その心の余裕こそが、鳥居をくぐる前の、最初のお清めなのかもしれません。
それでも、相手の不注意で事故に巻き込まれてしまうことはあります。
そんなときは、ひとりで抱え込まないでください。
保険会社から示された金額や説明に、少しでも引っかかりを感じたとき。
そのときは、立ち止まって、専門家の目を通してみるという選択肢があります。
私たちは、香川県高松市を拠点に、交通事故の被害者側に立って活動してきました。
東かがわをはじめ、この地域の道の特徴も、よく存じています。
この記事が、あなたとあなたの大切な家族の、おだやかな新年のために役立てば幸いです。
そして、もし力が必要になったときには、どうか遠慮なくご相談ください。

被害者に役立つ情報

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