連休中のしろとり動物園は交通事故多発地帯

【東かがわ市・しろとり動物園】連休限定で出現する「脱輪・接触」の危険地帯。アクセス路の3つの罠と、安全に楽しむための運転術
この記事では、東かがわ市松原にある「しろとり動物園」へ向かう市道で、大型連休のときに増える事故の仕組みをお伝えします。
ふだんは穏やかなあの道が、なぜ連休になると危険な場所に変わるのか。
どんな場面で、脱輪や接触が起きやすいのか。
そして、家族みんなが笑顔で一日を終えるために、ドライバーができる備えは何か。
交通事故の被害者側に立って活動してきた弁護士の視点も交えながら、順を追って整理していきます。
最後まで読んでいただくと、あの道を走るときの心構えが、はっきりと変わるはずです。

1. なぜ、あの短い道で事故が増えるのか

しろとり動物園は、全国から「自由すぎる動物園」として親しまれている人気の場所です。
ゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった大型連休になると、県内外から多くの家族連れやカップルが訪れます。
周辺の道路は、ふだんでは考えられないほどの活気に包まれます。
ところが、その活気のかげで、国道11号線から動物園へ向かう市道は、連休のあいだだけ「危険地帯」へと姿を変えます。
接触事故や、側溝へのタイヤの脱輪が、相次いで起きるのです。
ふだんは交通量も少なく、のどかな山あいの道です。
それがなぜ、連休になると難しい道になるのか。
理由は、三つの条件が重なるからです。
慣れない狭い道。
そして、大渋滞。
さらに、駐車場待ちの焦り。
この三つがそろったとき、ふだんなら起きないトラブルが、次々と生まれてしまうのです。

【用語解説】脱輪
道路の端にある溝や段差に、車のタイヤを落としてしまうことです。自力で抜け出せなくなることも多く、車の底やタイヤが傷つく原因にもなります。

2. 道に潜む「3つの罠」

現地を調べてみると、事故を引き起こす構造的な原因が見えてきました。
ここでは、特に注意してほしい三つの罠を取り上げます。

罠その1:突然センターラインが消える

国道11号線から動物園の方へ曲がってしばらくは、わりときれいな2車線の道が続きます。
ところが、動物園に近づくにつれて、道は急に狭くなります。
そして、道路のまんなかにある中央線、つまりセンターラインが、ふっと消えてしまうのです。
ここからが本番です。
対向車とすれ違うには、おたがいが道の端ぎりぎりまで寄らなければならない場所が、いくつもあります。
このすれ違いを「離合」と呼びます。
特に、京阪神や近くの徳島など、ふだんは広い高速道路や幹線道路を走り慣れた方が、この狭さにとまどいます。
対向車を避けようとして、左側の側溝にタイヤを落としてしまう。
そんな脱輪が、あとを絶ちません。

【用語解説】離合(りごう)
狭い道で、車どうしがすれ違うことを指す言葉です。中国・四国地方などでよく使われます。道幅が足りない場所では、片方が広い場所で待ち、もう一方に道をゆずる形ですれ違います。

罠その2:見えない場所での「ハチ合わせ」

動物園への道は、なだらかな丘を登っていくような上り下りと、見通しの悪いカーブが組み合わさっています。
カーブの先が見えないまま、坂を登りきる。
その瞬間に、思わぬものと出くわします。
駐車場待ちの渋滞の、いちばん後ろの車。
あるいは、坂を下ってきた対向車。
それらと、近い距離でいきなり向き合うことになります。
慌てて急ブレーキを踏む。
坂道をバックで下がろうとして、後ろの車にぶつける。
ハンドルを切りすぎて、路肩に接触する。
見通しの悪さは、こうしたトラブルを次々と招きます。

罠その3:雑草に隠れた「見えない側溝」

これは、特に気をつけてほしい罠です。
連休が重なる5月や8月は、道路わきの雑草が勢いよく茂る時期でもあります。
道路の左端にあるはずの側溝が、生い茂った草で、すっかり隠れて見えなくなっている場所があるのです。
ドライバーから見ると、まだ草が生えているのだから、その下にも地面があるはずだ、と感じてしまいます。
ところが、その草の下には溝が口を開けています。
左に寄せた瞬間に、ドスンと脱輪する。
これが、緑に隠された落とし穴です。
車高の低いコンパクトカーや、運転席から左下が見えにくい大きなミニバンは、特に注意が必要です。

3. 脱輪・接触を防ぐ「3つの運転術」

ここからは、実際にあの道を安全に走り抜けるための、具体的な工夫を紹介します。
どれも、特別な技術はいりません。
少しの心がけで、トラブルを大きく減らせます。

術その1:対向車が来たら、まず止まる

狭い道でのすれ違いの鉄則は、動いている車どうしでこすらないことです。
前から対向車が来たら、無理に進もうとしないでください。
少し道幅が広くなっている場所、たとえば待避スペースや民家の入り口などで、自分の車を完全に止めます。
そして、相手に通り過ぎてもらうのを待ちます。
これには、もう一つの大きな利点があります。
自分が止まっていれば、万が一、相手がこすってきたとしても、あなたの責任の割合を大きく減らすことができます。

【用語解説】過失割合
事故が起きたとき、それぞれにどれだけの責任があるかを割合で示したものです。たとえば8対2のように表します。この割合によって、受け取れる賠償金の額が変わります。止まっていた側は、責任が小さく判断されやすくなります。

術その2:左ではなく、右を見てすれ違う

これは、プロのドライバーが使う、すれ違いのコツです。
左側の側溝が怖いと、つい左のミラーばかり見てしまいます。
しかし、これがかえって脱輪の引き金になります。
左を気にしすぎると、自然と車が左に寄ってしまうからです。
そこで、すれ違うときは、あえて右側の窓を開けてみてください。
そして、対向車との右側のすき間を、自分の目で確かめます。
右側がぶつからないぎりぎり、数十センチをたもてていれば、左側には十分な余裕が残るように、道はできています。
右を詰めて、左を開ける。
これが、狭い道での脱輪を防ぐ、いちばんのコツです。

術その3:連休は「午前9時前」の到着をめざす

最大の事故の原因である、駐車場待ちの焦り。
これを、根本からなくす方法があります。
しろとり動物園の通常の開園時間は、午前9時です。
ただし、連休のときは変更になる場合があります。
連休中は、10時を過ぎると、アクセス路の全体が完全に止まってしまいます。
ですから、開園前の8時半から8時45分ごろには、現地の駐車場に着いておくスケジュールを組んでみてください。
渋滞に巻き込まれなければ、狭い道ですれ違う回数そのものが、ぐっと減ります。
焦りがなくなれば、判断にも余裕が生まれます。
早めの行動が、結局はいちばんの安全策になるのです。

4. 弁護士の視点 ―「狭い道だから仕方ない」は本当か

ここからは、被害者側の弁護士として、ふだん感じていることをお伝えします。
狭い道での接触事故が起きると、当事者の双方がこう言うことがあります。
道が狭かったから、仕方がなかった、と。
たしかに、難しい道であることは間違いありません。
しかし、ここには大切な考え方があります。
道が狭いことは、現地を走るドライバーには、見ればわかることです。
狭く、見通しが悪いとわかっているなら、それに合わせて速度を落とし、慎重に進む義務があります。
ですから、狭かったから、という理由だけで、責任がなくなるわけではありません。
むしろ、危険がわかっていながら、スピードをゆるめずに進んだ点が問われることもあります。

狭い道の事故で、記録しておくと良いこと

狭い道での接触は、おたがいの言い分が食い違いやすい事故です。
どちらがどれだけ動いていたか。
そこが、責任の割合を分ける大きな分かれ目になります。
ですから、もし事故に遭ってしまったら、その場の状況を記録しておくことが大切です。
自分の車が止まっていたのか、動いていたのか。
道のどのあたりで、こすれたのか。
待避スペースは、近くにあったか。
可能であれば、スマートフォンで現場の写真を撮っておくことも役立ちます。
これらの記録が、後から責任を考えるときに、あなたを守る材料になります。
なお、ここでお伝えしているのは一般的な考え方です。
実際の事故では、状況によって判断が変わります。
個別の見通しについては、弁護士に直接ご確認いただくのが確実です。

5. 同乗する家族にできること

ここまでは、ハンドルを握る人のお話が中心でした。
しかし、助手席や後ろの席にいる家族にも、できることがあります。
それは、運転している人を、焦らせないことです。
子どもが早く着きたいとせかしたり、後ろの席から駐車場の心配を口にしたりすると、ドライバーの判断はにぶります。
特に、狭い道や渋滞の中では、ほんの少しの焦りが事故につながります。
助手席の人は、左側の側溝が見えにくいとき、声をかけて手伝うこともできます。
あと少し左に余裕がある、ここは溝が近い、といった一言が、脱輪を防ぐことがあります。
楽しい一日は、家族みんなの協力で、行きの道から始まっています。

6. 安心して、しろとり動物園を楽しむために

しろとり動物園は、東かがわが全国に誇る、すばらしい場所です。
その楽しい時間を、行き帰りのトラブルで台なしにしてほしくありません。
連休のあの道は、たしかに難しい道です。
けれども、仕組みを知って、少し早めに動き、止まる勇気を持てば、危険の多くは避けられます。
それでも、相手の不注意で事故に巻き込まれてしまうことはあります。
そんなときは、ひとりで抱え込まないでください。
保険会社から示された金額や説明に、少しでも引っかかりを感じたとき。
そのときは、立ち止まって、専門家の目を通してみるという選択肢があります。
私たちは、香川県高松市を拠点に、交通事故の被害者側に立って活動してきました。
東かがわをはじめ、この地域の道の特徴も、よく存じています。
この記事が、あなたとあなたの大切な家族の、笑顔の一日のために役立てば幸いです。
そして、もし力が必要になったときには、どうか遠慮なくご相談ください。

被害者に役立つ情報

目次