「飯野交差点」なぜ事故が多いのか?

はじめに:この記事で分かること

丸亀市にお住まいの皆さま、そして毎日のように国道11号を運転されている皆さまへ。
この記事は、丸亀市の飯野交差点で起きている事故を、できるだけ正確な数字で見つめ直すためのものです。
読み終えるころには、次のことが分かるようになっています。
・飯野交差点で、どんな事故が、どれくらいの割合で起きているのか。
・なぜ、この交差点で追突事故が多いのか。
・追突のほかに、どんな危険がひそんでいるのか。
・明日の運転から、何を意識すればよいのか。
私たちは高松市で、交通事故の被害者の側に立って活動している弁護士です。
丸亀市の方からのご相談も、これまで数多くお受けしてきました。
その現場の経験から見えてきたことを、できるだけやさしい言葉でお伝えします。

1. 「見慣れた場所だから大丈夫」という油断

飯野交差点は、丸亀市の国道11号沿いにある、大きな四つ角です。
朝と夕方の通勤、通学の時間帯には、特に激しい渋滞が発生することで知られています。
毎日通る、見慣れた場所。
だから大丈夫だ、と思っていませんか。
実は、その油断こそが、事故を引き起こす最大の引き金になっています。
人は、よく知っている道ほど、緊張をゆるめてしまうものです。
いつもと同じ景色だから、何も起きないだろう。
そう感じた瞬間に、前への注意が、すうっと抜けていきます。
しかし、道はいつも同じでも、その日の交通の流れは、毎日少しずつ違います。
前の車が、いつもより急にブレーキを踏むかもしれません。
その「かもしれない」を忘れたとき、事故は起きてしまいます。

2. データが示す飯野交差点のリアル

まず、感覚ではなく、数字で見てみましょう。
飯野交差点で起きた事故の内訳は、次のようになっています。
なお、いずれも軽傷で済んだ事故です。
・総事故件数:7件
・追突事故:4件
・右折時の事故:1件
・その他の事故:2件
ここで注目していただきたいのは、追突事故の多さです。
7件のうち4件、つまり全体のおよそ6割が、追突事故なのです。
幸い、この交差点では、亡くなった方は出ていません。
けれども、ここで安心してはいけません。
死亡事故が起きていない、ということと、危険がない、ということは、別の話だからです。
これだけの頻度で追突が起きているということは、いつ、誰が当事者になっても、おかしくないということです。
明日、その一人が自分になる可能性も、決してゼロではありません。

【用語解説】追突事故(ついとつじこ)
前を走っている車や、止まっている車に、後ろから突っ込んでしまう事故のことです。
渋滞で前の車が止まったとき、車間距離が短いと起こりやすくなります。
多くの場合、ぶつかった後ろの車の側に、大きな責任があるとされます。

3. なぜ飯野交差点で追突が多発するのか

では、どうして飯野交差点では、これほど追突が多いのでしょうか。
理由は、大きく二つに分けて考えることができます。

理由その1:知らないうちに縮まる車間距離

朝夕の渋滞のなかでは、前の車が、何度も何度も減速を繰り返します。
止まっては、少し進み、また止まる。
この動きを続けているうちに、後ろの車との距離は、知らず知らずのうちに短くなっていきます。
自分では、十分に空けているつもりでも、実際にはほとんど詰まっている。
これが、渋滞のときに起こりやすい、距離の落とし穴です。

理由その2:渋滞だから、という気のゆるみ

もう一つの理由は、運転する人の意識にあります。
どうせノロノロ運転だから。
すぐには動かないだろう。
そう思った瞬間に、前への注意が散漫になります。
このすきに、スマートフォンへ目を向けてしまう人もいます。
ほんの一瞬の脇見でも、車は意外なほど進んでしまいます。
短くなった車間距離と、不十分な前方の確認。
この二つが重なったその瞬間に、追突事故は起こるのです。

【用語解説】漫然運転(まんぜんうんてん)
ぼんやりとした気持ちのまま、注意力が散漫な状態で運転することをいいます。
考えごとをしていたり、運転に慣れて気がゆるんでいたりするときに起こります。
事故の原因として、毎年とても多く報告されています。

4. 追突だけじゃない、渋滞の影にひそむ危険

飯野交差点で気をつけたいのは、追突だけではありません。
数は少なくても、見逃せない危険があります。

右折のときの、距離の見誤り

右折時の事故は1件、記録されています。
渋滞で焦った気持ちが、対向車との距離を見誤らせることがあります。
もう少しで曲がれるはずだ、という思い込みが、衝突を招きます。
ここで、香川県に多いとされる、ある習慣が関わってきます。
ウインカーを出さない、あるいは出すのが遅い、という運転です。
合図を出さずに曲がれば、対向車も歩行者も、その動きを読めません。
右折は、自分のためだけでなく、周りの人のためにも、早めの合図が欠かせません。

無理な進路変更

その他の事故は2件あります。
その多くは、進路変更のときの確認不足が原因です。
渋滞の列から抜け出そう、少しでも前に進もう。
そう思って、周りをよく見ないまま車線を変えてしまう。
そのとき、隣の車線を走ってきた車と、接触してしまうのです。
追突を警戒するだけでなく、周りの車の動きにも、いつも目を配る必要があります。

5. 今日から実践、飯野交差点を安全に通る3つの鉄則

ここまで読んでくださった皆さまへ、明日から使える、三つの鉄則をお伝えします。
むずかしいことは、一つもありません。

鉄則1:渋滞のときこそ、車間距離を空ける

渋滞中こそ、意識して車間距離を空け、しっかり減速しましょう。
前の車が急に止まっても、余裕を持ってブレーキを踏める距離を保つことが大切です。
ほんの車一台分の余裕が、あなたと前の車を守ります。

鉄則2:ノロノロ運転のときほど、集中する

ゆっくり進んでいるときほど、気がゆるみがちです。
だからこそ、漫然運転をなくし、前への確認を徹底しましょう。
スマートフォンは、運転が終わるまで、手に取らない。
それだけで、防げる事故がたくさんあります。

鉄則3:右折と進路変更は、確実な合図と確認を

右折や車線変更のときは、必ず早めにウインカーを出しましょう。
そして、周りの車の動きに、しっかりと目を向けます。
無理な割り込みや、急な右折は、絶対に避けてください。
数秒待つだけで、危険な場面の多くは、避けることができます。

6. もし事故に遭ってしまったら:被害者として知っておきたいこと

ここで少しだけ、私たち被害者側の弁護士の立場から、お伝えしたいことがあります。
追突事故は、軽傷だから大丈夫、と思われがちです。
しかし、追突によるむちうちなどのけがは、後から痛みやしびれが出てくることがあります。
事故の直後は、体が緊張していて、痛みに気づきにくいのです。
だからこそ、軽く見えても、早めに医療機関を受診しておくことが大切です。
そして、もう一つ。
追突された側であっても、保険会社とのやりとりで、戸惑う場面が出てきます。

【用語解説】過失割合(かしつわりあい)
事故が起きた責任が、当事者それぞれにどれくらいあるかを、数字で表したものです。
たとえば、ぶつかった車が10、ぶつけられた車が0、というように分けられます。
この割合によって、受け取れる賠償の金額が変わってきます。

追突事故では、多くの場合、後ろからぶつかった車の側に、大きな責任があります。
それでも、保険会社から最初に示される内容が、いつも適切とは限りません。
特に、けがの治療や、その後の補償については、被害者にとって不利な形で進んでしまうことがあります。
だからこそ、慌てて示談に応じてしまわないことが大切です。
保険会社の論理と、被害者が置かれた現実との間には、しばしば大きな隔たりがあります。
私たちは高松市で、その隔たりを埋めるために、被害者の側に立ち続けてきました。
丸亀の道を誰よりもよく知る皆さんと一緒に、この問題を考えていきたいと思っています。

7. 数秒と数メートルの、心のゆとりを

飯野交差点での事故を防ぐ、いちばんの特効薬。
それは、特別な技術でも、高価な装置でもありません。
ドライバー一人ひとりの「かもしれない運転」と、数秒、数メートルの心のゆとりです。
前の車が急に止まるかもしれない。
横から車が入ってくるかもしれない。
その「かもしれない」を心に置いておくだけで、見える景色が変わります。
明日の通勤、通学からは、いつもより少しだけ広い車間距離を意識してみてください。
その小さな余裕が、あなた自身と、大切なご家族を守ります。
そして、住み慣れたこの丸亀の町を、もっと安心して暮らせる場所にしていきます。
最後に、もし交通事故に巻き込まれ、どうすればよいか分からず不安なときは、一人で抱え込まないでください。
信頼できる人や、交通事故にくわしい専門家に、早めに相談することができます。
この記事が、飯野交差点を毎日通る皆さまの、安全な運転の助けになれば幸いです。

被害者に役立つ情報

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