後遺障害12級 500万円から2500万円に示談増額できた事例

1.事故発生 信号待ちの原付バイクに乗用車が追突
加藤大地さん(仮名)は、町中の交差点にいました。
赤信号で、原付バイクにまたがった状態で停車していたのです。
そのときでした。
突然、後ろの乗用車が発進し、追突してきたのです。
加藤さんはバランスを崩しました。
そして、前に投げ出されるような形で転倒してしまいました。
この事故で、加藤さんは鎖骨と上腕骨の骨折という怪我を負ってしまいました。
鎖骨は、首の下で肩と胸をつなぐ骨です。
上腕骨は、肩からひじまでの腕の骨です。
どちらも転倒事故で折れやすい骨です。
骨のつき方によっては、変形が残ったり、肩やひじの動きに制限が残ったりすることがあり、後遺障害が問題になりやすい部位です。
信号待ちで停車中の追突です。
加藤さんには、何の落ち度もありません。
それなのに、大きな怪我を負わされてしまったのです。
1-1.試験のための治療中断と、治療費の打ち切り
加藤さんは、二ヶ月ほど治療を続けていました。
しかし、加藤さんには大切な試験が控えていました。
そのため、しばらく治療をおこなわず、病院に通わない期間ができてしまったのです。
すると、そのうちに、相手側の保険会社から治療費の補償が打ち切られてしまいました。
実は、通院しない期間が続くと、保険会社は、もう治ったのではないか、と考えます。
そして、治療費の支払いを一方的に打ち切ってくることがあるのです。
これは実務上、よくあるパターンです。
試験を終えた後に、また治療を続けようと思っていた加藤さん。
結局、保険を使わずに、自費で治療を続けていくことになりました。
怪我をさせられた側なのに、自分のお金で治療をしなければならない。
納得のいかない状況でした。
2.依頼・相談の経緯 提示されたのは驚くほど低い500万円
しばらくすると、相手側の保険会社から示談の提示がありました。
その金額は、驚くほどに低い500万円というものでした。
停車中に追突された、まったく落ち度のない事故です。
骨折という大きな怪我を負い、自費での治療まで強いられました。
それなのに、この金額なのか。
加藤さんは、保険会社に身勝手な対応ばかりされていることに納得できませんでした。
そして、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
治療費は一方的に打ち切られる。
示談金は低い金額を提示される。
被害者がひとりで保険会社と向き合うと、このような対応をされてしまうことが、残念ながら少なくありません。
3.当事務所の活動 後遺障害12級の認定と適正額での交渉
3-1.後遺障害の認定請求で12級を獲得
弁護士がまず注目したのは、加藤さんの怪我の内容でした。
鎖骨と上腕骨の骨折です。
この怪我なら、後遺障害の認定が受けられる可能性がある。
弁護士はそのことを加藤さんにご説明し、認定の請求をおこないました。
その結果、後遺障害12級が認定されることになりました。
後遺障害の等級は、もっとも重い1級から、もっとも軽い14級まであります。
鎖骨や上腕骨の骨折では、骨に変形が残った場合や、肩などの関節の動きに制限が残った場合に、12級が認定されることがあります。
12級が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになり、賠償金額は大きく変わります。
ここが、本件の大きな分かれ道でした。
後遺障害の認定を受けると、賠償の項目が増えます。
ひとつは、後遺障害慰謝料です。
後遺症が残ったことへの精神的苦痛に対する賠償です。
もうひとつは、逸失利益です。
後遺症によって将来の収入が減ることへの賠償です。
この2つは、賠償金全体の中でも大きな割合を占める項目です。
最初の提示額500万円は、こうした後遺障害の賠償を前提としない金額だったのです。
3-2.裁判所の基準で交渉し、適正額を認めさせる
示談交渉においても、問題がありました。
保険会社の提示は、裁判所の基準よりもはるかに低い賠償金額が設定されていたのです。
当事務所は、きちんと交渉をしていきました。
裁判所の基準にもとづいて、項目ごとに根拠を示しながら、主張を重ねていったのです。
その結果、適正な2500万円という金額を認めてもらうことができました。
3-3.見落とされていた休業損害
さらに、もうひとつ大切な点がありました。
加藤さんは高校を卒業後、専門職につくために、アルバイトをしながら勉強をしていました。
本来であれば、休業損害が認められるはずでした。
ところが、最初の保険会社の提示には、休業損害が含まれていなかったのです。
事故の怪我のせいで仕事を休み、収入が減ったことへの賠償です。
正社員だけでなく、アルバイトで収入を得ていた人にも認められます。
学生や若い方の場合、保険会社の提示から抜け落ちてしまっていることがあるため、注意が必要です。
アルバイトだから、学生の身だから、という理由で、損害が軽く扱われる理由はありません。
当事務所は、この休業損害についてもきちんと請求をおこないました。
4.当事務所が関与した結果 500万円が2500万円に、5倍の増額
こうしたさまざまな項目について、適正な賠償金額が支払われることになりました。
結果的に、2500万円という金額まで増額させることができました。
最初の提示は、500万円でした。
つまり、5倍という大きな増額です。
加藤さん、さらに加藤さんのご家族からは、喜びのお声が寄せられています。
相手側の保険会社の対応には不安を感じていたけれども、弁護士さんに相談して親身になって色々と交渉してくださって、納得の賠償金額を得られて嬉しいです、というお言葉でした。
5.解決のポイント 後遺障害の認定と、あきらめない交渉
5-1.後遺障害の認定申請をしたことが最大の分かれ道
本件の最大のポイントは、後遺障害の認定を受けたことです。
もし認定を受けないまま示談していたら、500万円前後の解決で終わっていた可能性があります。
後遺障害慰謝料も、逸失利益も、認定があってはじめて本格的に請求できる項目です。
骨折などの大きな怪我をした場合には、示談の前に、後遺障害の認定を検討することがとても大切です。
5-2.治療の中断には大きなリスクがある
本件から学べる教訓が、もうひとつあります。
それは、治療を中断することのリスクです。
加藤さんは、試験というやむを得ない事情で、通院できない期間がありました。
しかし保険会社は、その空白期間を理由に、治療費を打ち切ってきました。
通院の間隔が空くと、保険会社に打ち切りの口実を与えてしまいます。
また、怪我と後遺症のつながりを疑われる原因にもなりかねません。
どうしても通院できない事情があるときは、医師に相談し、事情を記録に残しておくことが大切です。
そして、打ち切り後に自費で治療した場合でも、必要な治療であれば、後から治療費を請求できる場合があります。
あきらめずに、専門家にご相談ください。
5-3.若い方の損害こそ、見落とされやすい
加藤さんは、アルバイトをしながら専門職を目指して勉強している若者でした。
保険会社の最初の提示では、休業損害が含まれていませんでした。
学生や若年の方の場合、収入が少ない、安定していない、という理由で、損害が低く見積もられてしまうことがあります。
しかし、若い方には長い将来があります。
後遺障害による逸失利益も、働く期間が長いぶん、本来は大きな金額になるはずなのです。
提示額をうのみにせず、項目ごとに検証することが欠かせません。
6.まとめ 低い提示額でも、あきらめる必要はありません
本件の経過を、あらためて振り返ります。
信号待ちの加藤さんに乗用車が追突し、鎖骨と上腕骨の骨折という怪我を負わせました。
試験のための治療中断をきっかけに、治療費は打ち切られてしまいました。
保険会社の示談提示は、わずか500万円でした。
当事務所が後遺障害の認定請求をおこない、12級が認定されました。
裁判所の基準で粘り強く交渉し、休業損害などの見落とされた項目も請求しました。
その結果、2500万円、当初提示の5倍という増額を実現できました。
治療費を打ち切られた。
提示された示談金に納得がいかない。
そのようなときでも、あきらめる必要はありません。
後遺障害の認定や、正しい基準での交渉によって、結果が大きく変わることがあります。
示談書に署名する前に、その金額が適正かどうか、一度専門家にご確認ください。
どうぞお早めにご相談ください。

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