頚椎捻挫・パニック障害が正しく評価された事例

1.事故発生 駐車場からの飛び出し事故と、その後のパニック障害
宮元恵美さん(仮名)は、交野市で自動車を運転していました。
そのとき、スーパーの駐車場から、一時停止をせずに、いきなり自動車が飛び出してきたのです。
宮元さんの自動車は、その自動車と衝突してしまいました。
この事故で、宮元さんは頚椎捻挫の怪我を負ってしまいました。
衝突の衝撃で、首がむちのようにしなり、首の骨のまわりの筋肉やじん帯を痛める怪我です。
いわゆる、むちうち、と呼ばれるものです。
交通事故でもっとも多い怪我のひとつです。
1-1.身体の怪我よりも大きかった、心へのダメージ
幸いにも、頚椎捻挫以外には、大きな身体の症状はありませんでした。
しかし、宮元さんを苦しめたのは、身体の怪我だけではなかったのです。
自分自身が交通事故に遭ってしまった。
そのショックが、何よりも大きなものでした。
宮元さんは、度々、激しい動悸や息苦しさ、めまいなどに襲われるようになってしまいました。
パニック障害に悩まされるようになってしまったのです。
突然、激しい動悸、息苦しさ、めまい、強い不安などの発作に襲われる症状です。
交通事故のような強いショックをきっかけに、発症することがあります。
外から見えない症状のため、周囲に理解されにくいつらさがあります。
1-2.運転ができなくなり、仕事を辞めることに
パニック障害の影響は、宮元さんの生活を直撃しました。
自動車に乗って通勤することが、できなくなってしまったのです。
宮元さんの職場は、交通に不便なところにありました。
自動車以外の通勤方法は、ありません。
その結果、宮元さんは、仕事を辞めることになってしまいました。
事故そのものの怪我は軽くても、心に受けた傷が生活を奪っていく。
このようなケースは、決して珍しいものではありません。
そして、見た目には分からない症状だからこそ、そのつらさは周囲に伝わりにくいのです。
2.依頼・相談の経緯 精神的な症状は後遺障害に認定されにくい
2-1.異議申立をおこなうも、非該当という結果に
当事務所では、パニック障害についても後遺障害を認めてもらえるように、異議申立をおこないました。
後遺障害の等級認定の結果に納得できない場合に、再審査を求める手続です。
新しい医学的な資料や医師の見解を加えて、認定を裏付けることがポイントになります。
しかし、結果は、非該当という判断になってしまいました。
残念ながら、後遺障害の認定にはなりませんでした。
2-2.なぜ精神的な症状の認定は難しいのか
一般的に、パニック障害のような精神的な症状は、後遺障害を認定してもらうことがとても難しいものの一つです。
その理由は、症状の証明の難しさにあります。
骨折であれば、レントゲンなどの画像で怪我を示すことができます。
しかし、精神的な症状は、画像には写りません。
また、事故が原因で発症したのか、という因果関係の証明も、簡単ではありません。
だからこそ、認定のハードルが高いのです。
では、認定されなければ、あきらめるしかないのでしょうか。
そうではありません。
本件は、まさにそのことを示す事例となりました。
3.当事務所の活動 非該当でも、示談交渉で事情を訴える
後遺障害の認定は得られませんでした。
しかし、宮元さんが受けた不利益は、現実のものです。
パニック障害によって、仕事をやめざるを得なくなってしまったこと。
日常生活の中でも、いつも負担を強いられることになってしまったこと。
当事務所は、これらの事情を、相手側の保険会社であるソニー損保との示談交渉の中で、大きなポイントとして訴えました。
等級認定という形はなくても、事故によって生じた現実の不利益を、具体的な事実として積み上げて主張する。
それが、本件の交渉方針でした。
その結果、仕事をやめなければならなかったことを十分に考えた賠償をしてもらうことができました。
後遺障害までは認定されなかったものの、パニック障害について、弁護士の交渉が生きた事例といえるでしょう。
4.当事務所が関与した結果と解決のポイント
4-1.ご依頼者様からのお声
宮元さんからは、お声をいただいております。
パニック障害や、それに伴う症状というのはなかなか分かってもらえなくつらい部分も多いですが、丁寧な示談交渉をおこなってくださって、適正な賠償金額が受け取れて本当に安心しました、というお言葉でした。
外から見えない症状のつらさを、きちんと受け止めて交渉する。
そのことが、金額だけではない安心につながったのだと思います。
4-2.ポイント1 認定が得られなくても、交渉で事情を反映できる場合がある
本件の最大のポイントは、非該当という結果のあとの対応です。
後遺障害の認定は、賠償額を左右する大切な要素です。
しかし、認定がすべてではありません。
事故のせいで仕事を失った、日常生活に負担が続いている。
そうした現実の事情を具体的に主張することで、示談交渉の中で賠償に反映できる場合があります。
認定が得られなかったからといって、すぐにあきらめる必要はないのです。
4-3.ポイント2 精神的な症状こそ、丁寧な主張が必要
パニック障害のような精神的な症状は、画像に写りません。
だからこそ、症状の内容、生活への影響、仕事を辞めるに至った経緯を、ひとつひとつ丁寧に説明する必要があります。
保険会社に伝わる形で主張を組み立てるには、交渉の経験と工夫が求められます。
ここが、弁護士がお力になれる場面です。
5.まとめ 見えない症状のつらさも、あきらめないでください
本件の経過を、あらためて振り返ります。
駐車場からの飛び出し事故により、宮元さんは頚椎捻挫の怪我を負いました。
身体の怪我以上に深刻だったのは、事故のショックによるパニック障害でした。
運転ができなくなり、仕事を辞めざるを得なくなりました。
異議申立をおこなったものの、後遺障害は非該当という結果でした。
それでも当事務所は、仕事を失ったことなどの現実の不利益を示談交渉で粘り強く訴えました。
その結果、仕事をやめなければならなかったことを十分に考えた、適正な賠償を実現できました。
事故のあと、心の症状に悩まされている。
でも、周囲に分かってもらえない。
後遺障害にも認定されなかった。
そのような状況でも、あきらめる必要はありません。
交渉の進め方次第で、あなたの受けた不利益を賠償に反映できる可能性があります。
おひとりで抱え込まず、どうぞお早めにご相談ください。

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