解決事例 15

人身傷害保険のケース。1ヶ月で1000万円の増額がされた事例

依頼のご相談内容
・正当な補償を獲得したい
・地元の弁護士に相談したい
・〇〇に納得できない
・正当な補償を獲得したい
・正当な補償を獲得したい
・正当な補償を獲得したい

相手のいない自損事故でも、示談金が大きく増額されることがあります。
今回ご紹介するのは、人身傷害保険のケースで、弁護士が介入してからわずか1か月で、保険金が2000万円から3000万円に増額された事例です。
増額幅は、1000万円です。
自分の保険会社が提示してきた金額なのだから、正しいはずだ、と思っていませんか。
実は、そうとは限りません。
この記事では、実際の解決事例をもとに、人身傷害保険のしくみと、保険会社の提示額にひそむ問題点を、わかりやすく解説します。

1.事故の発生状況

ご相談者は、外国人の方で、香川県で生活されていました。
事故は、自家用車を運転中に起こりました。
自家用車で、電柱に激突してしまったのです。
相手方のいない、いわゆる自損事故でした。

【用語解説】自損事故
相手方のいない、単独の交通事故のことです。
電柱やガードレールへの衝突、運転操作の誤りによる転落などが、これにあたります。
相手がいないため、加害者に損害賠償を請求することができません。

自家用車が軽自動車であった、ということもあり、被害者の方は、大きなけがを負ってしまいました。
軽自動車は、車体が小さく軽いため、衝突のときの衝撃が、乗っている人の体に伝わりやすい面があります。
治療を続けましたが、体の中心部分が動かしにくい、という大きな後遺障害が残ってしまいました。
最終的に、体幹部分の可動域が2分の1以下になった、ということで、後遺障害等級は8級と判断されました。

【用語解説】後遺障害等級
治療を続けても治りきらなかった症状を、後遺障害といいます。
後遺障害は、重い順に1級から14級までの等級に分けられます。
8級は、かなり重い部類の後遺障害です。
等級が重いほど、支払われる保険金や賠償金は大きくなります。

2.自損事故を救う、人身傷害保険とは

交通事故の被害にあった場合、ふつうは、加害者やその保険会社に、損害賠償を請求します。
しかし、今回は自損事故です。
加害者がいないのですから、誰にも損害賠償を請求することができません。
また、自賠責保険は、他人を死傷させた場合の保険ですので、自損事故で運転者自身がけがをしても、自分の自賠責保険からは支払を受けられません。
それでは、被害者の方は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
そうではありません。
さいわい、ご相談者の自動車保険には、人身傷害保険がついていました。

【用語解説】人身傷害保険
自動車保険につけることができる補償の一つです。
自分や同乗者が交通事故でけがをしたとき、過失の割合に関係なく、自分が契約している保険会社から保険金を受け取れます。
加害者がいない自損事故でも使えるのが、大きな特徴です。
支払われる金額は、保険約款で定められた基準にしたがって計算されます。

人身傷害保険は、加害者がいない場合でも、自分がかけている保険に請求できる、とても心強い保険です。
人身傷害保険がカバーする損害の範囲は、広いものです。
治療費はもちろん、仕事を休んだことによる休業損害、精神的な苦痛に対する慰謝料、後遺障害による将来の減収分である逸失利益まで、約款の基準にしたがって補償されます。
また、自分に過失がある事故でも、過失を理由に減額されずに支払を受けられる、という点も、大きな特徴です。
自損事故は、自分の過失が100パーセントの事故ともいえますが、それでも補償の対象になるのは、このためです。
なお、自損事故の治療では、健康保険を使うこともできます。
治療費の負担が心配な方は、あわせて覚えておいてください。
そこで、ご相談者は、自身が加入している保険会社に対して、交通事故あつかいで、人身傷害保険の適用を請求しました。
すると、保険会社からは、約2000万円という示談の提案がされました。

3.弁護士に相談したきっかけ

2000万円という金額は、一見すると、大きな金額に思えます。
しかし、ご相談者は、この提案を見て、疑問を持ちました。
金額が安くないか、という疑問です。
体の中心部分が動かしにくい、という重い後遺障害を抱えて、これからの生活を送っていかなければなりません。
その補償として、この金額は本当に正しいのだろうか。
そう考えたご相談者は、高松の弁護士のもとまで、ご相談に来られました。
ここで大切なのは、ご相談者が、示談書にサインをする前に、相談に来られた、という点です。
一度、示談書にサインをして示談が成立してしまうと、あとから金額に不満があっても、やり直すことは原則としてできません。
サインの前の段階であれば、金額を見直せる可能性が残されています。
外国人の方にとって、日本の保険のしくみや契約書の内容を正確に理解することは、簡単なことではありません。
ましてや、専門用語だらけの保険約款を読み解くことは、日本人にとっても、むずかしいことです。
疑問を感じたら専門家に確認する、というご相談者の判断は、とても正しいものでした。
そして、この判断が、後に1000万円の差を生むことになるのです。

4.弁護士が発見した提示額の問題点

ご依頼を受けた弁護士は、まず、保険約款の確認から始めました。

【用語解説】保険約款
保険契約の内容を定めた文書のことです。
どんな場合に、いくらの保険金が支払われるのか、というルールが、細かく決められています。
人身傷害保険の金額は、この約款に書かれた基準にしたがって計算されます。

自損事故のような人身傷害保険のケースでは、保険約款にもとづいて、金額の提案がされるはずです。
保険約款は、細かいことまで文書でルールが決められています。
そのため、基準どおりに支払われるケースが多いのです。
しかし、弁護士は、本件について、疑問を持ちました。
保険会社は、本当に、保険約款のルールどおりの金額を出しているのだろうか、という疑問です。
保険会社からは、後遺障害8級を前提として、2000万円の提示がありました。
弁護士が保険約款を確認したところ、結論は、こうなりました。
やはり、2000万円では少ない。
保険約款の基準どおりであれば、3000万円ほど請求できるはずだったのです。
そこで、弁護士は、保険会社に対して、正式に抗議をおこないました。
抗議のポイントは、2点です。

4-1.問題点その1 年間収入の計算が低すぎる

一点目は、被害者の方の年間収入の算定です。
保険金の計算では、後遺障害によって将来の収入が減る部分、つまり逸失利益が、大きな割合をしめます。
逸失利益は、おおまかにいうと、次のような考え方で計算します。
年間収入に、労働能力喪失率をかけ、さらに、働けたはずの期間に応じた係数をかける、という計算です。
つまり、年間収入と労働能力喪失率という2つの数字が、逸失利益の金額を大きく左右するのです。
かけ算の計算ですから、もとになる数字が少し違うだけで、結果は何百万円も変わってきます。
その計算のもとになるのが、年間収入です。
保険会社は、被害者の方の年間収入を、200万円で計算していました。
しかし、これは正しくありません。
被害者の方は、専業主婦でした。
専業主婦の場合には、年間収入を360万円で計算するのが、一般的な実務なのです。
えっ、専業主婦なのに収入があつかいになるの、と驚かれる方もいるかもしれません。

【用語解説】家事従事者の収入
炊事、洗濯、掃除、育児といった家事労働には、経済的な価値がある、と考えられています。
そのため、専業主婦や専業主夫が交通事故にあった場合にも、収入がある人と同じように、休業損害や逸失利益を請求できます。
計算のもとになる収入額は、統計上の賃金データなどを参考に定められます。

家事労働には、きちんと経済的な価値が認められています。
実際の給料をもらっていないからといって、低い収入で計算されるいわれはないのです。
そこで、弁護士は、年間収入を360万円で計算してほしい、という要求をおこないました。
200万円と360万円では、1.8倍の差があります。
年間収入は、逸失利益の計算のもとになる数字ですから、この差は、最終的な保険金の額に、大きくひびいてきます。

4-2.問題点その2 労働能力の喪失割合が低すぎる

二点目は、労働能力の喪失割合の点です。

【用語解説】労働能力喪失率
後遺障害によって、仕事の能力がどれくらい失われたか、を割合で表したものです。
後遺障害の等級ごとに、目安となる割合が定められています。
等級が重いほど、喪失率は高くなり、逸失利益の金額も大きくなります。

保険会社は、被害者の方の後遺障害による労働能力の喪失の割合を、30パーセントで計算していました。
しかし、被害者の方の後遺障害は、8級です。
後遺障害8級の場合、労働能力喪失率は、45パーセントと計算するのが正しいのです。
30パーセントと45パーセント。
この差も、保険金の額を大きく左右します。
そこで、弁護士は、労働能力の喪失割合は45パーセントにするべきだ、という要求をおこないました。
このように、保険会社の提示額は、年間収入と労働能力喪失率という、計算の土台となる2つの数字が、どちらも低くおさえられていたのです。
土台の数字が低ければ、そこから計算される保険金の額も、当然、低くなります。
これが、2000万円という提示額のカラクリでした。

5.解決の結果 1か月で1000万円の増額

弁護士は、以上の2点について、正式に文書で要求を出しました。
口頭でのやりとりではなく、文書で、根拠を示して要求することが、交渉では重要です。
文書であれば、要求の内容と根拠が記録として残ります。
保険会社の側も、社内で検討をせざるを得なくなります。
あいまいな回答でごまかされることを防ぐ効果もあるのです。
すると、保険会社は、すぐに誤りを認めました。
そして、弁護士さんのいう通り、3000万円を支払います、と回答してくれたのです。
受任から解決まで、期間は1か月程度でした。
金額は、2000万円から3000万円へ、1000万円もアップしました。
スピード解決で、結果も期待どおり、ということで、依頼者の方にも、とても喜んでいただけました。

6.今回の解決のポイント

今回の解決のポイントは、弁護士が、保険約款の基準と照らし合わせて、保険会社の計算の誤りを具体的に指摘したことです。
人身傷害保険は、自分が契約している保険会社から支払を受けるものです。
自分の保険会社なのだから、味方のはずだ、正しい金額を出してくれるはずだ、と考えてしまいがちです。
しかし、現実は、そうとは限りません。
保険会社にとって、保険金の支払は、支出です。
今回のケースでは、約款の基準よりも1000万円も低い金額が、当初、提示されていました。
専業主婦であるにもかかわらず低い年間収入で計算されていた点も、8級なのに低い喪失率で計算されていた点も、専門知識がなければ、気づくことはむずかしかったでしょう。
問題は、なぜ、このような誤りが起こったのか、ということです。
保険約款は、細かくルールが決められた文書です。
しかし、実際に金額を計算するのは、保険会社の現場の担当者です。
担当者が、被害者の事情を十分に確認しなかったり、基準のあてはめを誤ったりすれば、約款どおりでない金額が提示されてしまうことがあるのです。
大手の保険会社であっても、こうしたことは起こり得ます。
だからこそ、提示された金額を、約款の基準と照らし合わせてチェックする、という作業が重要になります。
また、今回は、根拠が明確だったため、保険会社もすぐに誤りを認め、1か月というスピード解決になりました。
争いを長引かせずに解決できたことも、被害者の方の生活の再建にとって、大きな意味がありました。

7.同じ状況にある方へのアドバイス

最後に、この事例から学べるポイントを、3つにまとめます。
一つ目は、自損事故でも、あきらめない、ということです。
相手がいない事故でも、人身傷害保険がついていれば、自分の保険会社から補償を受けられます。
ご自身の保険証券や契約内容を、一度、確認してみてください。
搭乗者傷害保険など、あわせて使える補償がついている場合もあります。
二つ目は、自分の保険会社の提示額でも、うのみにしない、ということです。
今回の事例のように、約款の基準どおりに計算されていないケースもあります。
提示された金額の計算根拠について、書面で説明を求めることが大切です。
そして、少しでも疑問を感じたら、示談書にサインをする前に、専門家のチェックを受けてください。
一度サインをしてしまうと、あとからやり直すことは、原則としてできません。
三つ目は、専業主婦の方や外国人の方も、正当な補償を受けられる、ということです。
家事労働には経済的な価値が認められており、専業主婦や専業主夫の方も、収入がある人と同じように補償を受けられます。
また、国籍にかかわらず、契約にもとづく保険金は、正当に請求できます。
言葉や制度の壁で不安を感じている方こそ、専門家の力を借りることを、おすすめします。
多くの法律事務所では、交通事故の相談を無料で受け付けています。
また、自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、弁護士費用の負担なく依頼できる場合もあります。

【用語解説】弁護士費用特約
自動車保険などに付けられる特約で、弁護士に依頼するときの費用を保険会社が負担してくれるものです。
多くの場合、300万円程度までの弁護士費用が補償されます。
ご自身の保険だけでなく、ご家族の保険に付いている特約を使える場合もあります。
使えるかどうかは、契約内容によりますので、保険証券や約款で確認してみてください。

提示された金額が正しいのかどうか、まずは確認することから始めてみてください。
その一歩が、あなたの正当な権利を守ることにつながります。

選ばれる理由01
保険金額のアップの可能性あり!

保険会社の最初の示談案には注意が必要です。弁護士として多くの交通事故を扱ってきた経験上、約90%のケースで弁護士が交渉することにより示談額を増額できます。
そのままサインするのは危険です。
特に後遺障害・死亡・植物状態・寝たきりなど被害が大きいケースでは、弁護士に相談せずに示談すると何千万円もの損失につながる可能性があります。

選ばれる理由02
東京ではなく地元香川の弁護士に面談

東京には交通事故専門の弁護士が多くいますが、中国四国地方からわざわざ出向くのは時間・費用がかかり、電話やFAXのみでの依頼も不安が残ります。
いつでも直接面談できる地元・高松の弁護士への相談が最善です。

選ばれる理由03
完全成功報酬制が可能です(初期費用0円)

通常、弁護士への相談や依頼には法律相談料や着手金が必要です。
しかし弁護士吉田泰郎は、高松の交通事故被害者のために初回相談料を無料とし、着手金ゼロでの対応も可能にしています(全案件が対象ではありません)。
交通事故の被害者が依頼しやすい料金設定となっています。

選ばれる理由04
大幅な賠償金の増額実績多数

保険会社提示3000万円→8800万円など、これまで多くの増額実績があります。後遺障害の認定から慰謝料の算定まで丁寧に見直し、お客様が納得できる金額を受け取れるよう、親身になってサポートいたします。