死亡事故 2000万円から4500万円に示談増額できた事例

1.事故発生 自転車で帰宅中、左折車にはねられ5日後に死亡
足立さんは、自転車で買い物に出かけました。
その帰り道のことです。
交差点にさしかかったとき、左折してきたワンボックス車に衝突されました。
運転者が、横断者の確認を怠っていたのです。
足立さんはそのまま転倒し、地面に叩きつけられました。
意識不明の重体となり、すぐに救急車で病院に搬送されました。
診断は、脳挫傷と頭蓋内出血でした。
脳挫傷とは、強い衝撃によって脳そのものが傷ついてしまう状態のことです。
頭蓋内出血とは、頭の骨の内側で出血が起きている状態のことです。
どちらも命に関わる重い傷病で、緊急の手術が必要になることが多くあります。
病院では、開頭手術など懸命な措置が行われました。
しかし、その願いは届きませんでした。
足立さんは、交通事故から5日後に息を引き取られました。
買い物に出かけただけの、いつもと変わらない一日でした。
それが突然、永遠の別れになってしまったのです。
ご遺族の悲しみは、言葉にできるものではありません。
2.依頼・相談の経緯 保険会社の提示額2000万円は正しいのか
事故から半年ほどが経ちました。
加害者側の保険会社から、足立さんのご遺族に連絡がありました。
今回の死亡事故の損害賠償金についての連絡です。
その提示額は、2000万円というものでした。
2-1.一見高額でも、うのみにしてはいけない
2000万円という金額だけを見ると、たしかに高額です。
これだけの金額を提示されると、こんなものなのだろう、と受け入れてしまう方も少なくありません。
しかし、ご遺族は冷静でした。
足立さん自身には、全く過失がない事故です。
しかも、死亡事故という重大な事故です。
この賠償金額が本当に正しいものなのか、慎重に考えたい。
そう考えたご遺族が、当事務所にいらっしゃいました。
このご判断は、とても大切なものでした。
保険会社の提示額は、あくまで保険会社が計算した金額にすぎません。
それが法的に適正な金額であるとは限らないのです。
3.当事務所の活動 裁判所の基準で計算し、粘り強く交渉
3-1.提示額を検証すると、各項目が低く設定されていた
当事務所では、まずご遺族に代わって賠償金額を算出してみました。
すると、重要なことが分かりました。
保険会社の提示額は、慰謝料や逸失利益など、さまざまな項目において、裁判所が基準としている金額よりも低く設定されていたのです。
交通事故の賠償金の計算には、大きく分けて3つの基準があります。
1つ目は、自賠責基準です。法律で定められた最低限の補償の基準です。
2つ目は、任意保険基準です。各保険会社が社内で定めている基準で、一般に自賠責基準に近い低い水準です。
3つ目は、裁判基準(弁護士基準)です。過去の裁判例をもとにした基準で、3つの中でもっとも高額になります。
保険会社の提示は、多くの場合、裁判基準よりも低い金額になっています。
3-2.死亡事故で問題になる主な損害項目
死亡事故の賠償金は、主に次のような項目から成り立ちます。
まず、死亡慰謝料です。
亡くなられたご本人と、ご遺族の精神的苦痛に対する賠償です。
どの基準で計算するかによって、金額が大きく変わる項目です。
次に、死亡逸失利益です。
事故がなければ、将来得られたはずの収入のことです。
死亡事故では、亡くなった方が生きていれば働いて得たはずの収入をもとに計算します。
計算の前提となる収入額や就労可能な年数の見方によって、金額が大きく変わります。
このほか、葬儀関係の費用や、亡くなるまでの治療費なども損害となります。
これらの項目のひとつひとつを、裁判基準で計算し直す。
それが増額への第一歩です。
当事務所は、きちんと請求をおこなえば賠償金額の増額ができることをご遺族にお話ししました。
そして、当事務所が保険会社と交渉していくことになりました。
3-3.保険会社の強気な姿勢とその背景
保険会社と交渉を始めると、保険会社は強気の姿勢を見せてきました。
当事務所が算出した金額は、裁判にならないと支払うことはできない、というのです。
実は、これは保険会社の交渉でよく見られる対応です。
裁判基準での支払いを求めると、それなら裁判をしてください、と突き放してくるのです。
しかも本件では、事情がありました。
ご遺族は、訴訟にしたくないという希望をお持ちでした。
大切なご家族を亡くされた直後です。
長い裁判で、つらい記憶と向き合い続けることは避けたい。
そう考えるのは、当然のお気持ちです。
保険会社は、そのご希望を分かった上で、強気に出ていたのです。
3-4.粘り強い交渉で4500万円の示談が成立
しかし、だからといって、当事務所が保険会社の提示を受け入れることはありません。
訴訟をしないという方針の中でも、できることはあります。
裁判になれば認められるはずの金額を、根拠を示しながら、ひとつひとつ主張していく。
当事務所は、粘り強い交渉を続けました。
その結果、保険会社の姿勢は変わりました。
こちらが提示する裁判所の基準での賠償金額にほど近い、4500万円という金額を支払う。
その内容で、示談を成立させることができました。
当初の提示額2000万円から、2500万円の増額です。
金額にして、2倍以上になりました。
4.当事務所が関与した結果 ご遺族からの感謝のお声
足立さんのご遺族の方々からは、次のような感謝のお声を頂戴しております。
賠償金額が高額なだけに、自分たちで交渉をしてもよく分からずに、もし相談をしなければ保険会社の言うとおりに示談を進めてしまっていました。
適正な賠償金額を認めさせてもらえたのは、やはり実績のある事務所に相談したからだからこそだと思います。
本当に有難う御座います。
このお言葉のとおり、もしご相談がなければ、2000万円のまま示談が成立していた可能性が高い事案でした。
一度示談が成立してしまうと、あとから金額をやり直すことは、原則としてできません。
示談書に署名する前にご相談いただけたことが、何よりも大きな分かれ道でした。
5.解決のポイント 訴訟をせずに裁判基準に近い金額を実現
5-1.保険会社の提示額と裁判基準には大きな差がある
本件の最大のポイントは、保険会社の提示額と裁判基準との差です。
2000万円と4500万円。
同じ事故なのに、計算の基準が違うだけで、これほどの差が生まれます。
保険会社は営利企業です。
支払う賠償金を、できるだけ低く抑えようとするのは、ある意味で当然のことです。
だからこそ、提示された金額をうのみにせず、裁判基準で計算し直すことが大切なのです。
5-2.訴訟をしなくても増額できる場合がある
もうひとつのポイントは、訴訟をせずに解決できたことです。
保険会社は、裁判にならないと払えない、と言っていました。
それでも、粘り強い交渉によって、裁判基準にほど近い金額での示談が実現しました。
訴訟には、時間も精神的な負担もかかります。
ご遺族のお気持ちに寄り添いながら、交渉で最大限の結果を目指す。
そのためには、法的な根拠を積み上げて主張する交渉力が欠かせません。
5-3.示談書に署名する前の相談が決め手
そして、何よりも大切なのは、相談のタイミングでした。
ご遺族は、示談書に署名する前に、この金額は正しいのか、と立ち止まってくださいました。
その慎重なご判断があったからこそ、2500万円の増額につながったのです。
6.まとめ 死亡事故の示談金は、署名する前にご相談を
本件の経過を、あらためて振り返ります。
自転車で帰宅中の足立さんが、左折車との衝突事故で亡くなられました。
半年後、保険会社から2000万円の賠償金額が提示されました。
ご遺族は、金額の正しさに疑問を持ち、当事務所にご相談くださいました。
当事務所が裁判基準で計算し直し、粘り強く交渉した結果、4500万円での示談が成立しました。
訴訟をすることなく、当初提示額の2倍以上の増額を実現できた事案です。
死亡事故の賠償金は、高額であるがゆえに、金額の妥当性が分かりにくいものです。
一見高額に見える提示でも、裁判基準と比べると大きく不足していることが少なくありません。
そして、一度示談してしまえば、やり直しはできません。
示談書に署名する前に、その金額が適正かどうか、一度専門家にご確認ください。
大切なご家族を失った悲しみの中で、交渉の負担まで背負う必要はありません。
どうぞお早めにご相談ください。

保険会社の最初の示談案には注意が必要です。弁護士として多くの交通事故を扱ってきた経験上、約90%のケースで弁護士が交渉することにより示談額を増額できます。
そのままサインするのは危険です。
特に後遺障害・死亡・植物状態・寝たきりなど被害が大きいケースでは、弁護士に相談せずに示談すると何千万円もの損失につながる可能性があります。

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