質問:示談とは、そもそも何か? 弁護士 吉田泰郎が回答しています
事故について最終解決すること
「示談」は法律用語ですので、一般の方が日常会話で使うものではないように思います。
示談とはその事故について最終解決をすることです。
法律的に一切が解決したということになります。
①加害者からお金を払わせること
事故が最終的に解決するというのはどういう状態でしょうか?
これは、加害者から被害者にお金が払われるということです。怪我の程度にもよりますが、100万とか200万といったお金を加害者が払い、被害者が受け取るということが1つ目。
お金を払ってもらう、というのが最終解決の一つの側面です。
②最終的に解決すること
2つ目は、すべての事実を示談の対象に挙げてから解決する、ということです。
後から気づいたり、伝え漏れがあったりする場合、それは後からは払ってもらえません。
示談が最終解決なので、示談のときにすべての請求権を出しておく必要があります。
③示談したら、その後は、新しく請求はできない。
3つ目として注意しておきたいのが、示談した後には新しい請求はできません。
示談は何も急いで行うものではないので、保険会社から来た書類はきちんと内容を確認しましょう。
納得できる提示額であれば弁護士は何も言う必要はないですが、この金額で良いのかどうか悩むようであれば、相談してください。
「治療費の支払い」は、「示談」ではない。
示談の最終解決の前に、保険会社がまったく何も払わないかといったら、そうではありません。その都度、払われるものもあります。
例えば、事故の結果、病院に通院した期間の治療費。
これは保険会社が毎月病院に直接払いをします。
治療費は治療している期間中はその都度かかってくるものですので、被害者の方にとっては毎月病院に支払いをしてもらった方が望ましい。
本来は示談の時にまとめて払われる扱いでも良いのですが、そういった理由で治療費だけを前払いしているという関係です。
これはあくまで前払いであり、示談ではありません。
「休業補償の支払い」は「示談」ではない
休業補償とは、会社を休んだことによって会社から払われなかった給料分です。
これも保険会社がある程度毎月払ってくれます。
これも本来は示談の時に払うものを前払いしている関係にあります。
休業損害というのは示談ではない、ということは注意しておきましょう。
示談では、何を請求できるのか?
示談で請求できるものの一つに「傷害慰謝料」というものがあります。
傷害慰謝料というのは、その事故によって怪我をしたことについての慰謝料です。
慰謝料とは精神的苦痛をお金に換算したものを言います。
傷害慰謝料
例えば、事故で腕を怪我したとします。骨折したりすると痛みを伴いますが、その痛みを感じる精神的苦痛を損害と考えます。
その損害をお金に換算したらいくらになるか、というのが傷害慰謝料です。
物理的には見えないものではあります。
後遺障害の逸失利益
「後遺障害の逸失利益」というものも示談で請求できます。
「しょうがい」という単語がついていますが、「傷害慰謝料」のそれとは漢字が違います。
「後遺障害」とは、一定期間の治療をしたけれども後に残ってしまった障害のこと。
「逸失利益」は将来の休業補償のようなものと考えるとよいです。
例えば、事故で腕を怪我して、腕が肩までしか上がらなくなってしまった場合、高い所の作業ができなくなります。
高い所の作業ができなくなったことで給料が減ってしまった。
その給料が減った分を加害者の方が払ってください、というのが後遺障害の逸失利益です。
後遺障害の慰謝料
「傷害慰謝料」と「後遺障害の慰謝料」はいずれも慰謝料ですが、何に対する慰謝料かという点で異なります。
傷害慰謝料は痛みがあって病院に通院して治療した場合に、その治療が終わるまでの期間に対する慰謝料です。
後遺障害というのは基本的にはすぐには治らない、仮に治るとしても何年かかかるというようなものですから、痛みがあることに対する慰謝料というよりは、後遺障害が残ったということに対する慰謝料です。
示談とは何なのか、示談でどういうものが請求できるのか、ということについてお話しました。
交通事故の理解に役立つところがありましたら幸いです。











